きび砂糖、黒糖、三温糖、てんさい糖、普通の砂糖の違い。代用可能?

調味料として大切な砂糖は、原料や製造方法によって色や成分で違います。

甘味料としてお菓子つくりや料理に使う時には、色や風味に違いが出るので注意が必要です。

美味しい料理やお菓子をつくるときには砂糖選びも大切です。

きび砂糖・黒糖・三温糖・てんさい糖・普通の砂糖の概要を知っていれば、料理やお菓子に合う砂糖を選べます。

きび砂糖の原料は「さとうきび」になります。

「さとうきび」は茎(茎の髄)に大量の糖分を含んでいる植物です。

世界各国の熱帯・亜熱帯地域で「さとうきび」は栽培されています。

日本では種子島・奄美群島の徳之島・沖縄で多くの「さとうきび」が栽培されています。

きび砂糖は、「さとうきび」を精製する途中の段階で「さとうきび」の糖液を煮詰めて作った砂糖になります。

きび砂糖は、「さとうきび」の苦み・アクを取り除いたまろやかな甘さの砂糖です。

きび砂糖は砂糖液を煮詰めているので、原料の「さとうきび」風味がよく効いています。

色は薄めの茶色でうま味成分が多くコクがあります。

上白糖より少しきめが粗いので重たい感じがします。

きび砂糖で調理すると、食材に色が濃くついたり、照りがつきやすくなります。

きび砂糖の甘味は普通の砂糖と大きく違わないので、色の出かたや繊細な味を気にしないのであれば、上白糖など他の砂糖の代用ができます。

きび砂糖には「さとうきび」の栄養成分のミネラル類が多く残っています。

きび砂糖に含まれているミネラル類の栄養成分は、砂糖100gにカリウムが142mg・カルシウム10~35mg・マグネシウム3~20mg・リン1.1mg・鉄0.15~0.45mg・銅0.05~0.3mgです。

 

次に、黒糖ときび砂糖との違い・三温糖ときび砂糖の違い・きび砂糖の代用になる?などの紹介をします。

 

黒糖

 

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きび砂糖に含まれている栄養成分はミネラル類が多いですね。

黒糖ときび砂糖の違いを分かるために黒糖の概要を紹介します。

黒糖(こくとう)は、「さとうきび」の絞り汁を煮詰めて作る黒褐色の砂糖(含蜜糖)になります。

「さとうきび」の茎の絞り汁を加熱して、水分を蒸発させて濃縮したものを冷やし固めれば黒糖になります。

消費者庁が2010年(平成22年)にJAS法解釈通知の「食品表示に関するQ&A」を改定して黒糖の定義を明確化しました。

翌2011年(平成23年)の再改定で黒砂糖の定義はより明確化されています。

黒糖の定義は「さとうきびの搾り汁に中和、沈殿等による不純物の除去を行い、煮沸による濃縮を行った後、糖みつ分の分離等の加工を行わずに、冷却して製造した砂糖で、固形又は粉末状のもの 」になっています。

黒糖の成分は、主成分の糖分にカリウム・鉄・カルシウム・亜鉛などのミネラル成分が加わっています。

黒糖ときび砂糖の違いをまとめると。

黒砂糖は、「さとうきび」の絞り汁からゴミなどを取り除いた後そのまま煮詰めた砂糖です。

きび砂糖は、「さとうきび」の絞り汁を精製して不純物をある程度取り除いた砂糖になります。

次に、三温糖ときび砂糖の違い・きび砂糖は代用できる?などの紹介をします。

 

三温糖

 

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きび砂糖の栄養成分はミネラル類です。

黒糖ときび砂糖の違いは、そのままに詰めるか精製したかの違いになります。

三温糖ときび砂糖の違いを分かるために三温糖の概要を紹介します。

三温糖(さんおんとう)は、上白糖・グラニュー糖を分離して残った糖液を数回加熱してカラメル色をつけた日本特有の砂糖になります。

三温糖の特徴は、カラメル風味・上白糖より甘みが強いなどがあります。

カラメル風味を活かして煮物料理などに使われることが多い砂糖です。

三温糖には、上白糖やグラニュー糖よりもカリウム・ナトリウム・カルシウムなどのミネラルを多く含みます。

含まれているミネラルは少ないので三温糖の方が身体に良いことはありません。

ミネラル類に比べて糖分の含有量が遥かに多いので、ミネラル摂取を目的として常食するのは危険です。

カソナード(赤砂糖)・きび砂糖(きびさとう)などの名称を付けられているものは、成分に糖蜜を含むので三温糖とは別種になります。

きび砂糖には三温糖のようなカラメル風味はありませんが、甘味を活かすだけの代用であれば利用できます。

 

てんさい糖

 

きび砂糖には「さとうきび」の栄養成分が多く含まれています。

黒糖ときび砂糖の違いと、三温糖ときび砂糖の違いを知っていれば料理に役立てられます。

きび砂糖は甘味だけであれば他の砂糖の代用ができます。

てんさい糖の原料は「てん菜(ビート)」になります。

「てん菜」は別名をサトウダイコン(砂糖大根)と呼ばれます。

「てん菜」は、北海道の代表的な農産物です。

てんさい糖は、「てん菜」から糖分を抽出する過程でつくられる糖蜜です。

「てん菜」の糖分は結晶と糖蜜に分けられます。

結晶部分は上白糖など白い砂糖になります。

糖蜜はてんさい糖になります。

てんさい糖は、蜜を含んだまま高湿で乾燥させるので天然の蜜の色の茶色をしています。

上白糖のしっとりした甘みに対して、てんさい糖はまろやかな甘さに風味やコクが加わっています。