「カポナータ」と「ラタトゥイユ」の違い
トマトベースの煮込み料理には、イタリアで生まれた「カポナータ」とフランスで生まれた「ラタトゥイユ」があります。
カポナータもラタトゥイユも、イタリアとフランスの家庭料理として有名です。
カポナータとラタトゥイユは同じような“トマトベースの煮込み料理”ですが、その違いはどのようなところにあるのでしょうか。
次に、カポナータとラタトゥイユの違いの紹介をします。
カポナータ
カポナータとラタトゥイユの違いを明確にするためにカポナータの概要を紹介します。
イタリアの家庭料理のカポナータには地域によって特徴があります。
イタリアのカポナータでは、シチリアのカポナータとナポリのカポナータが有名です。
シチリアのカポナータは揚げナスの甘酢煮になります。
カプナータやカプナティーナとも呼ばれています。
シチリアのカポナータは、イタリア全土で有名な料理です。
スペインのカタルーニャから渡来したと言われています。
シチリアのカポナータの特徴はナスです。
ナスを一度オリーブ油で揚げてから、オリーブ油で炒めたタマネギ・セロリ・トマト・オリーブ・ケッパーと合わせて白ワイン酢で軽く煮込みます。
塩と砂糖で調味してバジリコをちらして食べます。
仕上げにココアパウダーを加えることもあります。
ナポリのカポナータは、水に浸して戻した乾パン・トマト・ニンニク・オレガノを塩とオリーブ油で和えたサラダ状の料理になります。
ナポリのカポナータは、アックァ サーレとも呼ばれます。
ラタトゥイユ
カポナータとラタトゥイユの違いを明確にするためにラタトゥイユの概要を紹介します。
フランスの家庭料理のラタトゥイユはラタトゥユとも呼ばれます。
フランス南部プロヴァンス地方のニースの郷土料理です。
ラタトゥイユは、玉ねぎ・ナス・ピーマン・ズッキーニなどの夏野菜を、にんにくとオリーブ油で炒めてから、トマトとローリエ・オレガノ・バジル・タイムなどの香草とワインで煮て作る夏野菜の煮込み料理になります。
料理にうま味を出すためにベーコンなどの肉類を入れたりもします。
ラタトゥイユの語源は“かき混ぜる”です。
元々は軍隊や刑務所で出される料理であったため、まずい料理・粗末な料理の代名詞とされることもあります。
カポナータとラタトゥイユのまとめ
カポナータとラタトゥイユの違いをまとめます。
カポナータとラタトゥイユの使う材料は、カポナータはナスをメインとしてオリーブ・セロリなどが使われます。
ラタトゥイユはズッキーニをメインとして香草などを使います。
調理方法の違いは、カポナータは順番に食材を入れて加熱するのに対してラタトゥイユはすべての材料をまとめて炒め煮にします。
カポナータで使うナスやパプリカは素揚げしているので、全体的によりコクのある仕上がりになります。
ラタトゥイユは、カポナータよりもあっさりと食べられる料理になります。
味つけの違いは、カポナータは砂糖やワインビネガーなどでしっかりと味つけするのに対して、ラタトゥイユは塩コショウでシンプルに味つけします。