鰆(サワラ)の旬な時期は春、冬、それとも二つある?地域で違う?
鰆(さわら)は、スズキ目・サバ科に属する海水魚です。
細長い体の大型肉食魚で、成長に従って呼び名が変わる出世魚です。
サワラ属は全世界で約18種がいます。
日本近海では鰆の他に4種類がいます。
「横縞鰆(ヨコシマサワラ)」は、全長2mを超える大型種になります。
体型は鰆(さわら)に似ていますが体側に黒っぽい横しま模様が多数走っています。
日本近海を含むインド太平洋の熱帯・温帯海域に広く分布しています。
日本では鰆に次いで漁獲量が多くなっています。
「平鰆(ヒラサワラ)」は全長1.5mです。
体側の模様は鰆によく似て、平たい体型で体高が高いのが特徴です。
インド太平洋の熱帯・温帯海域に広く分布しています。
「牛鰆(ウシサワラ)」は、全長2mに達する大型種です。
特徴は、胸鰭の先端が円い・鰆より口が前に突き出ている・額がわずかにくぼむことなどです。
秋田県・千葉県から南シナ海まで分布しています。
「台湾鰆(タイワンサワラ)」は全長70cmほどです。
インド太平洋の熱帯域に分布しています。
鰆(さわら)は、北海道南部・沿海地方から東シナ海まで分布しています。
分布範囲は、東アジアの亜熱帯域・温帯域になります。
鰆の分布は2系統群に分けられます。
日本海南部・黄海・東シナ海に分布する系群と、瀬戸内海から西日本太平沿岸に分布する系群です。
鰆は、カタクチイワシ・イカナゴ等の小魚を捕食しています。
次に、鰆のこと・鰆の旬・鰆の栄養・鰆の美味しい料理などを紹介します。
鰆(さわら)
細長い体の大型肉食魚で、成長に従ってサゴシ・ナギ・サワラと呼び名が変わる出世魚です。
40~50cmでは「青箭魚(サゴシ)・サゴチ」と呼ばれます。
50~60cmでは「ナギ」と呼ばれます。
60cm以上になると鰆(さわら)と呼ばれます。
サーラと呼ばれることもあります。
近畿・四国ではヤナギ(若魚)と呼ばれます。
石川県の方言では「サワラ」はカジキを指すので注意が必要です。
鰆(さわら)の呼び名には、体長が細長く「狭い腹」であることから「狭腹(サワラ)」になったという説があります。
日本の主な陸揚げ漁港は、福岡県の博多漁港・長崎県の長崎漁港・島根県の浜田漁港・京都府の舞鶴漁港・石川県の橋立漁港になります。
鰆の肉質は柔らかくて味は大きさによって差があります。
サゴシクラスは脂が少なくて淡白ですが、冬に獲れる大きいものは脂がのって高級魚扱いになります。
鰆の旬の時期は西日本では5月~6月とされています。
関東では「寒鰆」と言われる12月~2月の真冬が旬とされています。
鰆(さわら)の栄養
鰆の旬の時期は2つあります。
5月~6月と12月~2月です。
次に、鰆の栄養成分の紹介をします。
鰆には、DHA・EPA・タンパク質・鉄分・ビタミンD・ビタミンB12が含まれています。
鰆100gに含まれているDHAは1100mg・EPAは340mgです。
DHAとEPAには、血栓予防・ガン抑制などの働きがあるとされています。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進する働きがあるので骨の健康維持に役立ちます。
ビタミンB12はDNAの合成や調整に深く関わっています。
ビタミンB12には、正常な細胞の増殖を助ける働きがあります。
美味しい鰆料理
鰆の旬には2つの時期があります。
真子や白子と共に食べる地域では5月~6月が鰆の旬としています。
関東では主に白身の味を楽しむことから「寒鰆」と言われる産卵時期の脂がのった12月~2月を旬としています。
5月~6月を旬とする鰆も12月~2月を旬とする鰆も、それぞれ違った美味しさがあります。
鰆の料理は、一般に焼き魚が多いようです。
西京味噌を使った「西京焼き」・唐揚げ(竜田揚げ)などで美味しく食べられます。
身が軟らかく崩れやすいので煮物には向かない魚とされています。