生きた海老をおがくずの中に入れられる理由。何日もつ?
海老(エビ)の天ぷらは美味しいですね。
海老(エビ)を産地から直送してもらうと、「おがくず」を使った保存処理で送られてくることがあります。
初めて「おがくず」に埋もれたエビを頂いた時には、死んでいると思っていました。
死んだエビの鮮度を落とさないために「おがくず」が使われていると思っていました。
死んでいると思っていた海老(エビ)をつかんだら、元気に跳ねたのでビックリした経験があります。
生きた海老を「おがくず」の中に入れれば、生きたまま長期保存できるのはどうしてでしょうか。
「おがくず」で保存処理された海老は何日程度もつのか気になります。
次に、「おがくず」のこと・エビの「おがくず」を使った保存処理・「おがくず」の活用方法、などの紹介をします。
「おがくず」
「おがくず」の漢字表記は、「大鋸屑」になります。
おがくず(大鋸屑)は、木材加工したときに生じる細かい木屑(きくず)です。
木材加工では、ノコギリなどの工具を使うと細かい木屑がたくさん生じます。
ノコギリなどの工具で発生する細かい木屑は「おがくず」と言いますが、鉋(かんな)で削った木屑はカンナクズと呼ばれています。
製材所などでは、製材で発生する「おがくず」は原料材の約7%だそうです。
製材所や木工所では、日常的に大量の「おがくず」が発生しています。
高度成長期の頃には「おがくず」をオガライトなどに加工されて廃棄量も少なくなっていました。
エネルギー需要が石油やガスに移ってしまった現代では、「おがくず」の多くが焼却処分になっています。
現在では法令等の強化に伴って、「おがくず」の処分や利用方法などが課題となっています。
次に、エビの「おがくず」を使った保存処理・「おがくず」の活用方法、などの紹介をします。
エビと「おがくず」
エビは「おがくず」を使った保存処理で、生きたまま発送できます。
「おがくず」を海老(エビ)の長期保存材料として使われるのは、「おがくず」を貯めた場所は湿度がある程度一定に保たれるからです。
エビはエラが湿っていれば、空気中の酸素をエラの水分を通して取り込むことができるので生き続けられます。
濡らした「おがくず」によって、エラが湿っていればエビは比較的長時間生きることができます。
「おがくず」とエビのエラの湿り具合と外気温にもよりますが、2日程度は生きているようです。
「おがくず」には緩衝材としての機能もあります。
エビやカニの出荷に使われているのは、「おがくず」の湿度を一定に保つ機能と緩衝材としての機能が考えられます。
「おがくず」の使用例
エビは「おがくず」を使った保存処理で鮮度を保てますが、「おがくず」の利用方法は他にもあります。
燃料として利用される固形化された「オガライト」は、風呂などの燃料として使われています。
現代では、家庭用ガスや灯油などの普及により需要は激減しています。
「オガライト」を木炭化しものに「オガ炭」があります。
「オガ炭」は、炭火焼をセールスポイントとする飲食店での需要が高まっているようです。
市場に出回っている「オガ炭」は、多くが中国やその他アジア各国産炭です。
国内産の「オガ炭」は高品質ですが製造流通量は少なくなっています。
「おがくず」は、顔だけ出しておがくずに埋まる酵素浴にも使われています。
クワガタムシ等の甲虫類の飼育にも使われています。
「おがくず」は、エノキタケ・ナメコ・シイタケなどの、キノコ栽培の培地にも用いられています。
ペレット化して、畜産やペットの敷物としても使われています。
鉄道の駅では、嘔吐物処理に「おがくず」を使うために常備されています。
嘔吐物に撒いて「おがくず」に水分を吸わせれば清掃しやすくなります。