するめ、あたりめの違いは縁起をかついだ言葉、忌み言葉
するめとあたりめの違いが分かりますか。
「するめ」と「あたりめ」には、忌み言葉の関係があると言われています。
「するめ」・「あたりめ」と同じくイカを加工した食品に「さきいか」があります。
「さきいか」は、生のイカや「するめ」をあぶり焼きにして裂いたものです。
「さきいか」とは、「裂きイカ」になります。
「するめ」を裂きイカにすることで柔らかく食べやすくなります。
「するめ」よりも裂きイカが柔らかいのは、製法に関係しています。
裂きイカを作る工程の中にはイカを押しつぶして伸ばす工程があります。
この工程によってイカの繊維が細かくなり、柔らかくなります。
裂きイカは、元々は「するめ」をあぶり焼きにしてローラーなどで押しつぶして伸ばしてから裂いて作られていました。
現在では、この製法で作られている裂きイカは「するめさきいか」と呼ばれているようです。
次に、するめとあたりめの違い・するめとあたりめと忌み言葉・寿留女(するめ)、などの紹介をします。
するめ
するめとあたりめには、違いはありません。
するめの漢字表記は「鯣」です。
するめ(鯣)は、「ヤリイカ」・「ケンサキイカ」・「スルメイカ」などのイカの身を切り開いて作ります。
するめ(鯣)は古くから日本にある乾物です。
中国南部や東南アジアにもある食品で、特徴は長期保存に向いていることです。
イカの内臓や眼球を取り除いて、残しておいた足と共に、竹串を通すなどして広げて乾燥させます。
乾燥方法には、天日干し等の日乾と、室内や庫内で乾燥させる火乾(機械乾燥)などの方法があります。
するめ(鯣)の水分量は重量の約20%程度です。
するめ(鯣)は、長期保存に向いていて水で戻して出汁をとります。
するめ(鯣)は、日本では縁起物とされていて結納品や正月飾りなどにも用いられています。
煮物に用いる他、昆布や数の子などと一緒に漬け込む松前漬けなどの料理方法等があります。
火であぶれば酒の肴になります。
するめ(鯣)100g当たりの栄養素は334Kcalです。
するめ(鯣)には、タンパク質・ミネラル類(銅・カリウム・亜鉛・リン)・アミノ酸類が含まれています。
するめ(鯣)の俗語に「あたりめ・アタリメ」があります。
次に、あたりめのこと・するめとあたりめと忌み言葉、などの紹介をします。
あたりめ
するめとあたりめの違いを分かるために「あたりめ」の概要を紹介します。
するめとあたりめには違いはありません。
「あたりめ」は「するめ」の俗称です。
「あたりめ」と「するめ」は食べ物としては同じものです。
「するめ」は縁起物ですが、「する」の部分が競馬や賭博などでお金を無くす意味の「する(摩る)」や、財布やお金を盗む意味の「する(掏る)」を想像させます。
縁起が良くないので、縁起の良い「当たり」に置き換えて、「するめ」ではなく「あたりめ」と呼ばれるようになったと考えられています。
「するめ」が縁起の悪い忌み言葉なので、縁起の良い「あたりめ」になったという説です。
「するめ」は縁起物なので、名前もめでたいものにしたいということで縁起の良い「あたりめ」という名が考えられたようです。
「あたりめ」という呼び名は、江戸時代中期に生まれたとされています。
寿留女(するめ)
するめとあたりめには違いはありません。
「するめ」が縁起の悪い忌み言葉と考えられて、縁起の良い「あたりめ」と呼ばれるようになったようです。
忌み言葉の「するめ」が縁起の良い呼び名の「あたりめ」になったので同じ食べ物です。
日本では、古くからイカを食用としています。
イカを保存ができる乾物加工品としたスルメには古い歴史があります。
「するめ」は古典的な儀式や儀礼の場では縁起物として扱われています。
結納の際に相手方に納める品としても「するめ」は代表的なものとされています。
結納品の場合には「するめ」には、当て字の「寿留女」を用いています。
結納品の昆布(子生婦)とともに、「寿留女(するめ)」は女性の健康や子沢山を願う象徴となっています。
大相撲の土俵の中央には15cm四方の穴があり、そこには「するめ」や「勝栗」が神への鎮め物として埋められています。