なぜ北海道でジンギスカンを食べるようになったのか?名物の理由
ジンギスカン料理が、北海道の郷土料理になったのはなぜなのでしょうか。
ジンギスカンを漢字表記すると「成吉思汗」になります。
ジンギスカンは、マトン(成羊肉)やラム(仔羊肉)などの羊肉を使った焼肉料理です。
焼く肉料理ではなくて鍋料理に分類されることもあります。
鍋料理と呼ばれていても、調理方法は鉄板を使った調理方法になります。
ジンギスカンは、北海道を代表する郷土料理だと一般的に思われていますが、岩手県や長野県などの一部地域でも盛んに食べられています。
北海道の郷土料理として有名なジンギスカンですが、発祥は東京・高円寺の店という説もあります。
現在では、日本各地にジンギスカン料理を出す飲食店があります。
また、家庭調理用の肉・タレも各種販売されています。
次に、ジンギスカンのこと・ジンギスカンの起源・ジンギスカンが北海道で食べられるようになったのはなぜか、などの紹介をします。
ジンギスカン
ジンギスカンと呼ぶ焼肉料理(鍋料理)で使うのは羊肉です。
マトン(成羊肉)やラム(仔羊肉)などの羊肉を、中央部が凸型になっているジンギスカン鍋で料理します。
ジンギスカン鍋を熱して羊肉の薄切りと野菜を焼いて、羊肉から出る肉汁を用いて野菜を調理しながら食べる料理です。
北海道の地域によっては、中央部が凸型になっているジンギスカン鍋ではなく、中央が凹型のジンギスカン鍋(円板状)を使用する場合もあります。
ジンギスカンで使用する肉には、調味液漬け込み肉の「味付け肉」・冷蔵(チルド)の生肉・冷凍肉の「ロール肉」などがあります。
次に、ジンギスカンの起源・ジンギスカンが北海道で食べられるようになったのはなぜか、などの紹介をします。
ジンギスカンの起源
ジンギスカン料理が北海道でなぜ食べられるようになったかは、ジンギスカンの起源を知ることも大切です。
ジンギスカン料理の起源については諸説あります。
良く語られる俗説には、「かつてモンゴル帝国を率いたジンギスカン(チンギス・カン)が遠征の陣中で兵士のために作らせた」などがあります。
日本で食べられているジンギスカンは、実際にはモンゴルの料理とはかけ離れています。
羊肉を用いる中国料理が起源だとする説もありますが、中国の清真料理のカオヤンロウという羊肉料理は、日本のジンギスカンとは程遠い料理です。
只、ジンギスカン料理の起源は中国大陸にあると考えられています。
日本軍の旧満州(現中国東北部)への進出などを機に、清真料理のカオヤンロウから着想を得て日本人向けにアレンジされて、現在のようなジンギスカンの形式となったと考えられています。
次に、ジンギスカンが北海道でなぜ食べられるようになったのかを紹介します。
ジンギスカンと北海道
ジンギスカンが北海道でなぜ普及したのかは、滝川の「松尾ジンギスカン」が関係しているようです。
北海道で羊肉が食べられるようになったのは大正時代だとされています。
農家の副業として大正2年頃に、江部乙村で5頭の羊が飼育され始められました。
滝川町には大正4年(1915年)の羊の飼育記録があります。
羊を食べる習慣のない日本では「羊肉は臭くて食べられない」といわれていました。
現在では、ジンギスカンは北海道の郷土料理として人気があります。
ジンギスカンが、道民のソウルフードと呼ばれるほど道内各地に広まったのは、特有の臭みをタレで改善したからだと考えられます。
昭和31年(1956年)に「松尾ジンギスカン」がタレに漬け込んだ肉を焼く料理を提供しました。
滝川ではタレに漬け込んだ肉を焼くスタイルが定着したのは、「松尾ジンギスカン」の働きが大きいとされています。
松尾ジンギスカンの創業者・松尾政治氏は、滝川産のリンゴやタマネギをふんだんに使った独自のタレを開発しました。
当初は、羊肉専門店を開業してもなかなか売れなかったようです。
「松尾政治氏」は、七輪と炭を持って滝川公園へ出向き、5月の花見に集まった人々に食べさせてジンギスカンの普及をしました。
美味しいという評判から、タレに漬け込んだジンギスカンが飛ぶように売れるようになりました。
快くのれん分けをしたことから、昭和51年(1976年)には道内外各地に250店もの「松尾ジンギスカン」が存在したようです。